欧州移行初期段階の手続き

PCT出願を欧州移行した後の手続きの概要を説明します。

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日欧実務の違いを考慮した効率的な手続きをいたします Masaoki Ishiguro Patent Attorney

 

拒絶理由通知を受領する前にJPOに対して取る手続きは、基本的には特許出願および審査請求のみです。しかし、PCT出願の欧州移行出願においては、日本出願における手続きには存在しない種々の手続きがあります。欧州移行後の初期段階で発生する手続きを下図に示します。

 

 

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1:欧州移行(審査請求含む)

2:R161(2)/162通知の受領:出願人に自主補正の機会が与えられる

3:R161(2)/162通知への応答

4:拡張サーチレポート(EESR)の受領

5:R70(2)/70a(2)通知の受領:EESRの結果を踏まえて出願人が審査段階に進むことを希望するか確認される

6:R70(2)/70a(2)通知への応答

7:Art. 94(3)通知(拒絶理由通知)またはR71(3)通知(特許付与の意図の通知)の受領

 

 

欧州移行のために必要な翻訳文提出等の手続き(1)をした後に最初に受領する通知がR161(2)/162通知です(2)。この通知は、欧州移行時に使用したクレーム・明細書が何であったかに関わらず出願人に自主補正の機会(3)を与えるものです。欧州移行時に使用したクレーム・明細書についてEPOにサーチをしてほしい場合には、この通知に対して応答する必要はありません。

 

その次に受領する通知がEPOの作成したサーチレポートです(4)。サーチレポート自体には応答期限は定められていません。サーチレポートの受領の少し後にR70(2)/70a(2)通知を受領することになり(5)、この通知において、サーチレポートの内容に対する応答の期限が定められています。

 

この通知に対して応答した後に受領するのがArt. 94(3)通知またはR71(3)通知です(7)。まだ拒絶理由がある場合にはArt. 94(3)通知を受領し、特許付与の準備が整ったと判断された場合にはR71(3)通知を受領することになります。

 

欧州移行の際に種々の方策を取ることにより、(2)~(6)に関連し、審査促進または遅延を図ることができます。